鵺の鳴く夜に　横浜ディープスポット

横浜ディープスポット

　オイラが住む町、横浜。
　横浜市は現在２本の地下鉄が走っています。
　ちょいと、鉄道に詳しい方ならば分かると思いますが、あまりに不自然なカーブと路線がブルーラインに存在しています。

　横浜（北）から関内駅まで一直線の後、９０度の方向転換し京急線と謎の並走を上大岡まで続けています。
　確かに乗車率の高い京急線ですが僅か１００メートル隣を並走されては意味がわかりません。
　

　本来は住宅街・戸塚と官庁街・関内を結んで終わる「市電的伏線」。（湘南台までは計画以降延長）
　実はこんな具合に海岸線を大きく湾曲し、三渓園を掠めて根岸に繋がる筈でした。

　ちなみに、【根岸】といっても、横浜人以外はピンとこないでしょう。【横浜港】です。
　日本の空の玄関口が【成田】ならば海の玄関口こそが【根岸】。
　そもそも、八王子で作られた絹を横浜港から海外に輸出するために作られたのが横浜線と根岸線。
　住宅が増え、根岸から大船まで延伸したのが現在の京浜東北根岸線なのです。

　この湾曲した円弧の頂点にあるのが【本牧】です。

　明治の開国、御一新以来ここは日本が世界に誇る遊郭でした。
　日本人じゃなく、海外の船乗り専門の風俗街として一世を風靡していたのです。
　日本の好事家が知る遊郭が「吉原」ならば世界の好事家が知る遊郭が「本牧」。

　しかし、昭和３１年。
　天下の悪法「売春禁止法」により壊滅。
　船乗りたちはバス・タクシーで歓楽街の関内・伊勢佐木町への移動を余儀なくされたのです。
　無論、外国人も黙ってはいません。本牧埠頭より歓楽街（関内）に近い山下埠頭への寄港に人気が集まり、更に本牧は不景気になる負のスパイラルラビリンス。

　そんな中での福音が地下鉄の本牧駅です。
　地価が大幅上昇。ゼネコンがこぞって商業ビル・マンションを建設しまくり、寂れた埋立地の港町が一大住宅地へ変貌し、ネズミ算式に人口が増える驚愕の現状。

　しかし、旧商店街住人はこんな風に思っちゃったんだ・・・

　「地下鉄開通したら、みんな横浜に買物行っちゃうんじゃないかな・・・」
　「人口増えても、ウチの売り上げ減ったら意味ないよな・・・」

　結論・・・
　【地下鉄来なけりゃいいじゃん！！】

　地元商店街の反対運動により、横浜市営地下鉄は（文字通り）「転進」したのです。
　地下鉄来るからマンション買った一般人にとって詐欺も同然。
　陸の孤島たる本牧のマンションなんざ売却撤去。
　地価も大幅下落。マイカル本牧・イトーヨーカドーも撤退。
　出来上がったのは【ゴーストタウン】。　
　上図写真の美しいビルの地下には地下鉄駅が存在していますがそれを見ることはあるのでしょうか？
　東横線が中華街まで伸びたので、これを延伸・・・するより中山→東戸塚→上大岡の方が現実的ですね。

　じつはね、この近所で過去仕事していたんだ！
　何かの間違いで本牧行ったときはココは行ったほうがいいぞ！！

◇カイキョー